CASE
事例紹介
ウィズコロナ時代 備蓄品の配布はどこに注意すべきか?
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状況
高層ビルの上層階にオフィスのあるIT企業様の事例です。
緊急事態宣言の間は80%が在宅のリモート勤務。
第5波が収まり、ある程度通常の体制で勤務ができるようになった時点でこの比率を改め、週に2日は曜日を決めて全員がリモート勤務、残りの3日は出勤とするが、出社人数は80%くらいに抑える予定とのこと。
一方で、通勤時の感染リスクを減らす為に、会社から2駅以内に転居した場合に住宅補助を上乗せするという施策を進めたことから、都心でありながら多くの社員が徒歩で帰れる範囲に居住という特色もお持ちです。
仮に大きな地震が起きた場合、基本的には3日間を目処に社内に一時待機をしますが、状況が早めに落ち着いた場合、自宅に戻りたいという要望が多く出てくることが予想され、その場合は、ある程度備蓄品を持たせて帰宅をさせたいと、人事部としては考えていらっしゃいます。
備蓄品をロット単位で保管してある為、配布するにあたり注意すべき点についてアドバイスが欲しいとのご要望をいただきました。
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ご提案内容
新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、2020年に内閣府よりこの点を踏まえた避難所運営のポイントが示され、各自治体で避難所運営の見直しが行われました。
それらを参考に、以下のご提案をしました。
◆食料配布
【配布準備】
・調理する場合、調理従事者は、マスクに加えてビニール手袋を必ず着用する。
・作業台や配膳道具等を事前に消毒する。
・食器は、ラップをかける等の工夫をして、1回ごとに取り換えて再利用する。
・一人分ずつ小分けにして配食する。
【配布】
・順番制にする等、配食時の密を避けるための工夫をする。
・避難者が食事の前の手指消毒を容易に行えるようにする。
・食事スペースについては設置を推奨しない。
設置する場合は、順番制にする、向かい合わせのイスの配置を避ける、
消毒を徹底等、感染症対策のための運用ルールを作成する。
【配布後】
・食べ残しや使い捨て容器については、避難者が自分で分別してごみ袋に密閉し、担当者が回収する。
・炊事場は使用後に必ず消毒する。
・症状のある避難者等については、各避難居室前に食料を置いて渡すとともに、使用した容器については、
感染廃棄物として取り扱う。
◆物資配布
【3密対応】
・配布場所を複数設けたり、配布するタイミングを部屋ごとに分散したりする等の工夫を行う。
・物資配布従事者は、マスク、手袋等の着用を徹底する。
・物資配布の前後に机の消毒を徹底する。
・整列の際、2m間隔で印をつける(テープ類を用いる)等、動線を明示し誘導する。
・移動が困難な障害者や高齢者等もいるので、その場合には運営従事者等が直接配布する。
・症状のある避難者等については、各避難居室前に物資を置いて渡す。
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改善結果
この他にも、様々な課題が確認できました。
新型コロナウイルス感染症が広がることで、新たに対応をせまらること、これまでの考え方を改めるべきことなど、防災にも様々な影響がありました。
仮に今回の新型コロナウイルス感染症がおさまっても、10年に一度くらいのペースで新たな感染症が発生するのではないでしょうか。
想像力を働かせて、想定外を想定内にしておくこと。
防災力を上げる為には、「考える」ことが大切なのだと思います。
防災備蓄品の入替えのご相談は、実績と専門的な知見が豊富な株式会社遠藤防災事務所までお問い合わせください。
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