COLUMN
コラム
2021.09.05
Vol.3
【防災備蓄】実は、早い段階で設置が必要な簡易トイレ!
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簡易トイレはいつから必要になるのか?
企業や学校の総務担当者が、大規模地震の発生直後にまずしなければならないこと
1.まずは自分の命を守る!
危険な状況であれば、いち早くその場合から安全な所に逃げます。
2.他人の命を守る!
エレベーターの閉じ込めなど、近くにいて被害に合ってしまった人の命を助けます。
3.怪我人の手当てなどを行う。
少し落ち着いた所で、被害状況の情報収集を行います。
従業員の安否確認、建物の安全確認、周辺の状況確認などを行い、必要に応じて消防や救急に救助を求めたり、様々な行動に移ります。
また、同時に建物の所有者が、建物の安全確認を行います。
その建物にいて二次災害に巻き込まれる恐れはないか、建物の給水、排水、敷地内の下水施設、電気設備の点検を行います。
この間、点検が終わるまで水道は使用できません。丸の内にある最新の免震構造の高層ビルでも、大地震の後、建物の配管設備の点検が終わるまで2時間は水道を止めるとのお話を聞いたことがあります。
つまり、この時点で簡易トイレの設置が必要となるのです。
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施設に被害が出ている状態でトイレの水を流すとどうなるか?
トイレの配管はまず床下を横に通り、汚水を下に流す縦の配管につながっています。
便器付近や横の配管が破損している場合に水を流すと、すぐ下の階の天井裏に汚水が漏れてしまいます。
縦の配管は、敷地の外にある公共の下水道につながっていますが、ここの配管に損傷があり水が流れない場合、上層階からの汚水が配管の中に溜まり、下層階のトイレから汚水が逆流します。
また、建物の施設に問題が無くても、道路の下水道菅や地区の水再生センター・ポンプ所等に被害が発生していた場合、その対象地区の下水の使用が制限される場合もあります。
いずれにせよ、安易にトイレの水を流すことは、後々面倒なことになる可能性があるので、注意が必要です。
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簡易トイレの設置の注意点
簡易トイレの設置は、ただ簡易トイレを置くだけではありません。
排水ができないということは、洗面所も小便器も使えません。使用禁止の張り紙などを付ける必要があります。
入り口付近には、消毒液や簡易トイレの使用法やトイレの使い方の注意書きが必要です。
【準備備品】
・簡易トイレ、トイレダスト回収バッグ、トイレットペーパー
・使用禁止テープ、簡易トイレの使用方法
・ルール等の掲示物
・アルコール消毒液、アルコールウェットタオル類
・照明(停電時はランタンを各個室に設置)
・掃除用具(バケツ、ブラシ、使い捨てゴム手袋、トイレ用洗剤)、消臭対策
・感染症対策(新型コロナに限らず、ノロウィルス等へのリスク対応)
トイレは一度汚してしまうと使用困難になります。いかに清潔に保つかがポイントでしょう。
そのためには、汚物の回収、清掃、アルコール消毒液の補充、照明のオンオフなどを1時間〜2時間に1度ずつ行うなど、待機しているメンバーで役割を決めて担当する必要があります。
また、健康維持の為、トイレに行くことを促す声がけも必要です。お互いの健康を気遣い、具合の悪そうな人を見逃さないように注意しましょう。
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