COLUMN
コラム
2021.09.18
Vol.4
【防災備蓄】内水氾濫で床下浸水!トイレはどうなる?
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短時間に大雨が降ると、どんな問題が発生するか
最近、短時間で記録的な雨が降り被害が出るというニュースをよく見かけるようになりました。
アンダーパスが浸水し犠牲者が出たり、マンホールから水柱が上がったり。これまでにあまり経験したことがない浸水事例が、主に都市部で発生しています。
河川の水が溢れ、広範囲に浸水することを外水氾濫と言います。
これに対し、短時間に猛烈な雨が降り、都市部の排水機能が追いつかずに浸水することを内水氾濫と言います。
さらに、内水氾濫には2つのパターンがあります。
一つは河川の増水により、排水ができなくなり少しずつ冠水が広がるパターン。もう一つは河川の水が排水路を逆流してくるパターン。
2019年に多摩川で発生した浸水は、二つ目の河川の水が逆流したパターンです。
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排水できないのは汚水も同じ。トイレは流れるのか?
2019年10月の多摩川の氾濫では、短時間に大量の雨が降り、その雨水を多摩川に流さなければ内水氾濫が発生するという状況の中で、雨水を流す多摩川が増水し、結果的に多摩川の水が逆流するという現象が発生しました。
雨水の処理と多摩川の急激な増水が同時に起こるという、想定外の出来事でした。
このとき、地下3階・地上47階のタワーマンションで、地下の電気設備が浸水して停電と断水が発生。エレベーターやトイレが使えず、1週間以上、住民が生活できなくなるという事態が発生しました。
ここまでの大きな被害でなくても、実は床下浸水程度でもトイレは使えなくなる可能性があります。
理由は、内水氾濫と同じ原理。
降雨による雨水と汚水を別々の管を使って、汚水は水再生センターに、雨水はそのまま川や海に流す方式を分流式と呼びます。これに対し、雨水と汚水を一つの菅で流すものを合流式と言います。
問題なのはこの合流式で、一度に大量の雨水が菅に流れ込むと、下水が流れなくなってしまうのです。
床下浸水時は、建物の排水管内に水が逆流してきます。これにより排水管が塞がれたのと同じ状態になり、トイレで排水を流すとそれが流れず、どんどん菅の中に溜まってきます。
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特に注意したい高層の集合住宅
この様な状態になった場合、特に注意したいのは高層の集合住宅。
上の階で流した汚水は、次第に縦の排水管に溜まり始め、いっぱいになると下層階のトイレから溢れ始めます。
配管が壊れているわけでもないのに、下層階に住む人にとっては、あまり想像したくないレベルの大きな被害が出ます。
場合によっては、部屋の資産価値の下落もあるかもしれません。
高層住宅では・想定外のことが重なった場合に、こうしたことも起こる可能性があることを、住民の間に周知しておき、万が一に備えて置くことが重要だと思います。
集合住宅にお住まいの方は、ぜひ参考にしていただければと思います。
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